女性の薄毛の原因とは？タイプごとに解説

「女性の薄毛の原因ってなに？」

「自分の薄毛のタイプは何なんだろう…」

など、女性の薄毛に関する悩みを持っている方は多いと思います。

女性の薄毛の原因は、以下のとおりです。

今回は、「女性の薄毛の原因」について詳しく解説していきます。

薄毛に悩む女性や予防を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

女性の薄毛の原因

女性の薄毛の原因は以下の5つです。

女性の薄毛の原因は、主に加齢や生活習慣、ヘアケア、ホルモンバランスの乱れです。

薄毛が進行する前に原因を理解し、早めに対策を講じることが改善への第一歩です。

また、薄毛の原因を知ることで、今後のケアや治療の方向性が明確になります。

下記では、女性の薄毛の原因について詳しくご説明いたします。

1. 加齢

加齢による女性の薄毛は、主に女性ホルモン「エストロゲン」の減少が関係しており、以下3つの特徴が見られます。

エストロゲンには、髪の成長をサポートする働きがあり、40代後半から閉経期にかけて分泌量が急激に減ることで、毛周期の成長期が短くなります。

その結果、髪が細く、抜けやすくなってしまうのです。

この変化は、女性に特有の「びまん性脱毛症」や「FAGA（女性男性型脱毛症）」として現れます。

加齢にともなう薄毛は、自然な老化現象の一部ではありますが、早めの対策によって進行を遅らせることが可能です。

しかし、20代の若い女性の方でも薄毛になる可能性があるため、注意が必要です。

40歳以降の薄毛が気になる方は、加齢が原因のびまん性脱毛症やFAGAの可能性がありますが、早めに病院で診断を受けることで、自分に合った治療法が見つかり、薄毛の改善にもつなげやすくなります。
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2. 生活習慣の乱れ

乱れた生活習慣は、女性の薄毛を悪化させる大きな要因の一つなので、以下の点に注意するのがよいでしょう。

睡眠不足や運動不足、栄養バランスの偏りが続くと、毛根に十分な酸素や栄養が届かず、髪の成長が妨げられてしまいます。

しかし、生活習慣の乱れによる薄毛は、比較的改善しやすいのです。

食事や睡眠の質を見直し、軽い運動やストレス対策を取り入れることで、頭皮の血流が改善され、発毛環境の正常化が期待できます。

3. 誤ったヘアケア

毎日のヘアケアが正しく行われていない場合、頭皮や毛根に負担がかかり、女性の薄毛を引き起こす原因となります。

以下のようなヘアケア習慣は頭皮にダメージを与える傾向があります。

特に髪の洗い方やスタイリングの習慣など、無意識のうちに髪を痛めている可能性があります。

誤ったヘアケアが続くと、牽引性脱毛症や接触性皮膚炎のリスクが高まります。

そのため、正しいシャンプーの方法や、頭皮に優しいヘアスタイルを意識することで、頭皮環境が改善され、抜け毛予防が可能です。

4. 出産やストレスなどによるホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れは、女性の薄毛に大きく関係しており、以下のようなケースが代表的です。

妊娠・出産や強いストレスがあると、自律神経やホルモン分泌に影響が出やすく、髪の成長を支えるサイクルが乱れてしまいます。

また、出産後の抜け毛は一時的な現象で、半年〜1年ほどで回復することが多いですが、ストレスが長引くと回復が遅れる可能性があるでしょう。

そのため、ホルモンバランスを整えるには、睡眠や栄養の見直しに加えて、ストレス管理やリラクゼーション習慣も重要です。

5. 病気や治療

特定の病気や治療の影響で、女性の薄毛が進行するケースもあります。

内科的疾患や薬剤の副作用によって、毛根の活動が抑制されることがあるため、健康状態を総合的に見直す必要があるでしょう。

主に関係する病気や治療は以下です。

病名・要因	脱毛への影響
甲状腺機能異常	ホルモンバランスの乱れで抜け毛が増加
鉄欠乏性貧血	毛根への栄養供給が不足し脱毛を引き起こす
抗がん剤治療	細胞分裂を抑制し、急激な脱毛を起こす

病気や治療が原因の場合は、一般的な育毛ケアでは効果が出にくいため、医師の診断と適切な治療が必要です。

薄毛の原因が体調や疾患にある可能性がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

1.加齢による女性の薄毛タイプ

加齢によって引き起こされる女性の薄毛は、「壮年性脱毛（そうねんせいだつもうしょう）」と呼ばれることがあり、以下3つの特徴があります。

年齢を重ねることで、女性ホルモン（エストロゲン）の分泌が減少し、髪の成長サイクルが短く、髪も細くなり、抜けやすくなる状態が徐々に進行してしまうのです。

壮年性脱毛は女性特有の「びまん性脱毛症」として現れることもあり、気づかないうちに進行する傾向があります。

特に、女性は頭頂部からはげる可能性があるため、目立つ前に対策をすることが重要です。

ホルモンバランスの乱れを緩和するためには、規則正しい生活とバランスの取れた食事、頭皮環境の見直しが必要です。

加齢にともなう薄毛は男女共通で壮年性脱毛

壮年性脱毛は、加齢にともなって起こる脱毛症のひとつのため、男女問わず発症します。

女性の場合は、男性のように生え際が後退するのではなく、頭部全体の髪が均等に細くなり、地肌が見えやすくなる点が特徴です。

壮年性脱毛の原因は以下の通りです。

このような状態を改善するには、栄養補給や血行促進、そしてホルモンバランスの調整が重要となります。

自然な老化現象とはいえ、早めのケアによって予防や進行抑制が期待できます。

2.生活習慣が原因の女性の薄毛タイプ

生活習慣が原因の女性の薄毛タイプの脱毛症には、以下の2つが代表的です。

不規則な生活や偏った食事、慢性的なストレスは、女性の薄毛を引き起こす大きな要因となります。

生活習慣の乱れによって、頭皮環境や血流が悪化し、毛根の働きが弱まってしまうためです。

日常的に使用しているシャンプーや整髪料が、頭皮のバランスを崩す原因になっているケースもあります。

そのため、生活全体を見直すことで、頭皮の状態が改善され、発毛環境が整いやすくなります。

男女に共通する脂漏性脱毛症とひこう性脱毛症

脂漏性脱毛症とひこう性脱毛症は、頭皮の皮脂や乾燥が原因となって発症する脱毛症です。

どちらも性別に関係なく発症しますが、女性では誤ったスキンケアやホルモン変化によって誘発されることが多くあります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

種類	特徴
脂漏性脱毛症	頭皮がベタつき、毛穴が詰まりやすい。炎症やかゆみを伴うことが多い。
ひこう性脱毛症	頭皮が乾燥し、フケが出やすくなる。頭皮が敏感になり抜け毛が増加する。

頭皮環境の改善には、皮脂を過剰に落としすぎない優しい洗髪と、保湿を意識したケアが有効です。

3.誤ったヘアケアが原因の女性の薄毛タイプ

誤ったヘアケアが原因の女性の薄毛タイプは、「牽引性脱毛症」です。

日々のヘアスタイルやヘアケアの方法によって、頭皮や毛根に負担がかかり、薄毛が進行することがあります。

とくに女性は、ヘアアイロンやカラーリング、タイトなヘアスタイルなど、髪に強い刺激を与える機会が多いため注意が必要です。

他にも、以下のような習慣が原因です。

薄毛に繋がる習慣により、頭皮への持続的な刺激が毛根にダメージを与え、部分的な抜け毛が生じやすくなります。

そのため、ヘアスタイルを変えたり、頭皮を休ませることで改善が期待できます。

女性のヘアメイクによる牽引性脱毛症

牽引性脱毛症は、髪が引っ張られる状態が長時間続くことで毛根に負荷がかかり、脱毛してしまう症状です。

女性では、美容的な理由でタイトなヘアスタイルを続けることが原因となるケースが多く見られます。

この脱毛症の特徴には、以下のようなものがあります。

初期段階では、刺激を避けるだけで回復するケースもあります。

毎日のヘアセットや結ぶ位置を見直すことで、予防や進行の抑制が可能です。

4.ホルモンバランスの乱れが原因の女性の薄毛タイプ

ホルモンバランスの乱れが原因の女性の薄毛タイプは以下の2つ挙げられます。

女性ホルモンのバランスが乱れると、毛周期が正常に機能しなくなり、抜け毛が急増することがあります。

エストロゲンの分泌が大きく変化する出産や閉経の時期には、とくに注意が必要です。

また、ホルモンが髪の成長を支える働きをしているため、その減少が直接的に薄毛につながります。

いずれも自然な身体の変化であるため、過度に心配する必要はありませんが、適切な対策や生活改善により、回復を早めることができます。

栄養と睡眠の質を見直すことが、ホルモン由来の薄毛改善の第一歩でしょう。

産後に起こる産後脱毛症

出産後の数ヶ月以内に抜け毛が増える現象は、「産後脱毛症」と呼ばれています。

妊娠中に増加していたエストロゲンが、出産後に急激に減少することにより、成長期だった毛髪が一斉に休止期へ移行するのが主な原因です。

この脱毛の特徴には、以下のようなものがあります。

産後脱毛症は一過性のものであるため、過度なヘアケア製品の使用や無理な対処は逆効果となる場合があります。

まずは心身の回復を優先し、ゆるやかに元の状態へ戻すことを目指すことが大切です。

閉経による薄毛

閉経を迎えると、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が大きく低下すると共に、髪の成長が鈍くなります。

閉経による薄毛に見られる傾向は以下のとおりです。

閉経の影響により、毛が細くなり、抜け毛が増える傾向が強まります。

また、女性特有のびまん性脱毛症として現れることが多いのも特徴です。

このような薄毛に対しては、ホルモン補充療法や女性専用の発毛剤を利用する方法もあります。

ただし、副作用のリスクを踏まえ、医師による相談が必要ですが、生活習慣の見直しも始めることが効果的といえます。

5.病気や治療が原因の女性の薄毛タイプ

病気や治療が原因の女性の薄毛タイプは、以下の4つです。

薄毛の背後に病気やその治療が隠れている場合もあります。

とくに内科的な疾患や薬の副作用は、髪の成長に影響を与えやすく、通常のヘアケアでは改善が見込めません。

こうしたケースでは、原因を正しく特定し、根本治療を行うことが求められるため、病気が原因となる脱毛は、まず医療機関での診断が最優先です。

そのため、自己判断での対策は避け、体調全体を整えることが髪の健康にもつながります。

女性に多く見られる甲状腺機能の異常

甲状腺は代謝を調整するホルモンを分泌しており、この機能が低下または亢進すると、毛髪の成長に悪影響を与えることがあります。

女性は男性よりも甲状腺疾患の発症率が高く、薄毛の原因として見過ごされがちです。

この症状の特徴は以下の通りです。

血液検査によって簡単に異常を確認することができるため、薄毛とあわせて体調不良を感じる場合には、内科または皮膚科の受診をおすすめします。

鉄分や亜鉛の不足が原因になることも

髪の成長には多くの栄養素が必要ですが、なかでも鉄と亜鉛は欠かせないミネラルです。

鉄は酸素を毛根に届ける役割があり、亜鉛はたんぱく質の合成や細胞分裂に関与します。

栄養が不足すると、髪の生成能力が低下し、抜け毛が増える原因となるでしょう。

以下のような人は注意が必要です。

栄養バランスを意識した食事のほか、必要に応じて医師の指導のもとサプリメントを活用することも選択肢となります。

病気の治療や薬の影響による薄毛

一部の薬剤は、副作用として脱毛を引き起こすことがあります。

副作用としての脱毛の特徴は以下のとおりです。

とくに抗がん剤は細胞分裂を抑制するため、毛母細胞の働きが止まり、一時的にすべての髪が抜けてしまうケースもあります。

その他、抗うつ薬や血圧の薬、ホルモン剤なども要注意です。

服薬中に抜け毛が増えたと感じた場合は、処方医に相談することが大切でしょう。

女性の薄毛の原因になりやすい円形脱毛症

円形脱毛症は、自己免疫の異常により毛根が攻撃されることで生じる脱毛症で、以下3点の特徴があります。

突然、硬貨大の脱毛が1〜数箇所に現れ、進行すると広範囲に及ぶこともあるのです。

また、女性でも精神的ストレスや体調不良をきっかけに発症するケースが見られます。

治療には、ステロイド外用薬や免疫抑制療法が用いられます。

早期の診断と治療が、改善への近道といえるでしょう。

最近女性に多い薄毛の原因になる過度なダイエット

過度なダイエットは女性の薄毛を引き起こす大きな原因の一つです。

極端な食事制限によって必要な栄養素が不足し、髪の成長に不可欠なタンパク質や鉄分、亜鉛、ビタミン群などが体内で不足してしまうからです。

とくに髪は生命維持に直接関わらない組織であるため、身体は栄養を優先的に心臓や脳に回し、結果として毛根に十分な栄養が届かなくなります。

そのため、成長期の髪が休止期に移行しやすくなり、一時的な抜け毛や全体のボリュームダウンを招くのです。

実際、急激に体重を落とした後に抜け毛の増加を経験する女性も少なくありません。

したがって、理想の体型を目指す場合も、タンパク質やミネラルを十分に含んだバランスのよい食生活を意識することが、健康的な美しさと髪を守るために不可欠です。

まとめ

今回は、女性の薄毛の原因を知りたい方に、「女性の薄毛の原因」について詳しくご紹介しました。

女性の薄毛は、頭髪全体のボリュームが減少し、分け目が目立ちやすくなる「びまん性脱毛症」が多いです。

加齢によるホルモンバランスの乱れ、生活習慣の乱れ、ストレス、誤ったヘアケアなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症します。

気になる症状があれば、早めに医師に相談し、自己判断せず適切な治療や生活改善を進めていきましょう。

女性の薄毛は決して珍しいことではなく、正しい知識と対策で改善が期待できますので、前向きにケアを続けてください。

コラムのポイント

• 女性の薄毛の原因は、女性ホルモンが関係するものとそうでないものの大きくわけて２種類
• 男性と女性の薄毛には、進行の仕方や治療薬に違いがある
• 女性には女性の適切な治療法があるので、気になったらすぐに医療機関に相談を

引用文献

• [1] Esther J van Zuuren, et al. Interventions for female pattern hair loss, Cochrane Database Syst Rev. 2016 May 26
• [2] 円形脱毛症診療ガイドライン2017年版｜日本皮膚科学会
• [3] 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版｜日本皮膚科学会