ミノキシジルの効果と副作用とは？注意点とミノキシジルの効果がない人の特徴も解説

「ミノキシジルの副作用とは？」

「ミノキシジルの効果について知りたい。」

など、ミノキシジルに関する疑問を持っている方も多いのではないでしょうか？

ミノキシジルの副作用は、以下のとおりです。

外用薬の副作用	内服薬の副作用	共通の副作用
かゆみ かぶれ	肝機能障害	初期脱毛 立ちくらみ めまい 動悸や息切れ 手足顔のむくみ 体毛の増加

ミノキシジルは、髪の毛の発毛と育毛を促す効果があり、薄毛の治療薬として使われています。

本記事では、ミノキシジルの副作用や、ミノキシジルの効果について解説しますので、最後までぜひお読みください。

ミノキシジルとは薄毛治療で使用される薬のこと

ミノキシジルは、薄毛治療で使用される薬のことで、内服薬は動脈の平滑筋を弛緩させる作用により、元々は海外で血圧を下げる薬剤として1970年代から使用されてきました。

ところが、副作用として体毛を増やす作用が認められたことから、再度発毛剤として開発が進められることになり、AGA治療薬として改めて承認され、現在に至ります。

そして現在では、外用薬（塗り薬）と内服薬（ミノキシジルタブレット）の2種類が存在します。

日本では5％濃度までの外用薬が承認され、内服薬は必ず医師の処方が必要です。

外用薬は日本皮膚科学会が策定した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017版」^[1]において推奨度「高」に指定されています。

もし、「最近、私の髪の毛よく抜けるな…」と感じる方は、毛根の弱体化や脱毛が加速し、取り返しのつかない状態になる前に、推奨度が高いミノキシジルでの治療可能なスマイルAGAで治療を受けるのがおすすめ！

ミノキシジルは発毛や育毛の効果がある

ミノキシジルの効果は、以下の2つです。

ミノキシジルは、毛細胞のアポトーシス（細胞死）を抑制し、髪の成長期を長くし、新しい毛髪の成長を促します。

また、毛細胞内に成長因子を産生し、毛根の細胞を増やすことで、毛髪を作る細胞へと分化を推進するのです。

下記では、ミノキシジルの効果について詳しくご説明いたします。

毛細胞のアポトーシス（細胞死）を抑制

髪にはヘアサイクルというものがあり、「成長期」「退行期」「休止期」があります。

始めに、「成長期」に一定の太さに成長すると「退行期」に入るのです。

次に、「退行期」には毛細胞が萎縮して、2〜3週間程度で毛髪が抜けます。

そして、髪が抜けると、数ヵ月の「休止期」を経て、そこからまた新しい毛髪が生えてくるのが、一般的なヘアサイクルです。

ミノキシジルは髪の成長期を長くし、退行期への移行を遅らせる働きがあると共に、休止期の毛母細胞を活性化し、新しい毛髪の成長を促します。

毛細胞内に成長因子を産生する

ミノキシジルは毛細胞内の成長因子産生を活性化する多面的な作用機序を持ち、毛髪再生の鍵となるメカニズムを有しています。

特に血管内皮細胞増殖因子（VEGF）とインスリン様成長因子1（IGF-1）の産生促進を通じて、毛乳頭細胞の活性化と毛細血管新生を誘導するのです。

毛乳頭細胞内ではアデノシンA1受容体と細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が関与し、VEGFの合成が促進されることが示されています。

さらにミノキシジルはプロスタグランジンE2（PGE2）の産生を亢進させ、cAMP経路を介してIGF-1の生成を間接的にサポートします。

成長因子の相互作用は、毛包の成長期延長と休止期短縮に寄与するのです。

フィナステリドやデュタステリドとミノキシジルの違い

フィナステリドやデュタステリドとミノキシジルの違いは以下のとおりです。

比較項目	ミノキシジル	フィナステリド/デュタステリド
作用機序	血管拡張・成長因子促進	5αリダクターゼ阻害
性別制限	男女共用可能	男性のみ
効果発現	4-6ヶ月	6-12ヶ月
主な副作用	頭皮刺激・動悸	性機能障害

フィナステリドやデュタステリドは「5αリダクターゼ阻害薬」と呼ばれ、男性ホルモン（テストステロン）がDHT（ジヒドロテストステロン）に変換される過程を抑制します。

一方、ミノキシジルは男性ホルモンの影響を直接遮断せず、毛包環境の改善に焦点を当てた薬剤です。

このため、女性の脱毛症（FAGA）にも適用可能で、ホルモンバランスを乱す心配がありません。

併用療法では相乗効果が報告されていますが、作用機序の違いを理解した上で選択することが重要です。

ミノキシジルで考えられる副作用と発生率

ミノキシジルの副作用は、外用薬と内服薬に共通するものと、それぞれに異なるものもあります。

外用薬の副作用	内服薬の副作用	共通の副作用
かゆみ かぶれ	肝機能障害	初期脱毛 立ちくらみ めまい 動悸や息切れ 手足顔のむくみ 体毛の増加

外用薬と内服薬に共通する副作用は、初期脱毛や立ちくらみ、動悸、手足のむくみ、体毛の増加などが挙げられます。

ミノキシジルの外用薬における副作用としては、かゆみとかぶれが主です。

さらに、内服薬の副作用は肝機能障害があり、外用薬とは異なる副作用であることが分かるでしょう。

下記では、ミノキシジルの副作用について詳しくご説明いたします。

外用薬（塗り薬）・内服薬に共通する副作用

降圧作用を有することから、主に循環器系への影響が考えられます。

副作用	説明
初期脱毛	治療開始後2〜8週間程度に見られる 毛髪が抜け落ちる現象 薬が効いている証拠
立ちくらみ、めまい	降圧作用が強く出た場合に見られる 症状が出た場合医師に報告
動悸、息切れ	降圧作用によってもたらされる 症状が出た場合は医師に報告 不整脈への進展する可能性もある
手足、顔のむくみ	末梢血管を拡張させるため起きる 一過性であることがほとんど 長引く場合は心疾患の可能性あり
体毛の増加	多毛の症状は薬が効いている証 あまり気になる場合は医師に相談

初期脱毛は、治療開始から2〜8週間程度の間に見られる症状ですが、薬が効いている証拠なので問題ありません。

また、立ちくらみやめまいは、降圧作用が強く出た場合、このような症状が見られます。

さらに、動悸や息切れは、降圧作用によってもたらされ、心機能障害や不整脈へ進展する可能性もあります。

他にも、手足や顔のむくみは、一過性であることがほとんどですが、長引く場合は心疾患を引き起こしている可能性があるので、早急に医師に報告してください。

そして、体毛の増加は、多毛の症状は薬が効いていることの証でもあり、大きな害はありません。

外用薬（塗り薬）の副作用

直接肌に触れるので、皮膚への影響が考えられます。

副作用	説明
湿疹 （痒み、かぶれ）	発生頻度は2％程度[3] 肌に合わないときは医師に相談

ミノキシジル外用薬（塗り薬）の副作用は主に皮膚症状と全身症状に分けられます。

最も頻繁に報告されるのは頭皮のかゆみ・赤み・かぶれなどの皮膚トラブルです。

皮膚トラブルは、ミノキシジルの血管拡張作用や溶媒成分に対するアレルギー反応が原因で、過剰な塗布や肌質に合わない場合に症状が悪化しやすい傾向があるのです。

特にフケの増加や乾燥を伴う場合は、保湿ケアの追加が推奨されます。

内服薬の副作用

特に内服薬は体内に取り込まれる量が多く、代謝を行う肝臓への影響が懸念されます。

副作用	説明
肝機能障害	内服薬は肝臓に負担がかかる 発症頻度は稀 肝疾患を患っている場合引き起こす 疾患がある方は事前に申告

主な症状としては、倦怠感・食欲不振・黄疸などが挙げられ、血液検査ではAST（GOT）やALT（GPT）の数値上昇が確認されるのです。

リスク要因として、アルコールの過剰摂取や他の肝代謝薬（フィナステリドなど）との併用が指摘されています。

特にAGA治療では複数の内服薬を併用するケースが多く、γ-GTPやALP値の定期的なモニタリングが推奨されます。

治療開始前には必ず肝機能検査を実施し、異常値が認められた場合には用量調整や治療法の変更が必要です。

ミノキシジルを使用する前に知っておくべき注意点

ミノキシジルを使用する前に知っておくべき注意点は、以下の3つ挙げられます。

まず、個人輸入したミノキシジルは、偽造品リスクと副作用管理の難しさがあります。

また、ミノキシジル自体を使用してはいけない人もいるため、注意が必要です。

他にも、使用タイミングや、外用薬の場合は正しい方法で患部に塗る必要があるのです。

下記では、円形脱毛症の対策と治療について詳しくご説明いたします。

個人輸入で購入したミノキシジルは危険

個人輸入によるミノキシジル購入は、3つの危険を伴います。

海外製品は日本の品質基準を満たさない場合が多く、成分不足や有害物質混入の可能性があるのです。

内服薬の場合は、心臓への負担（動悸・不整脈）や肝機能障害を引き起こすリスクが高まります。

さらに、法的リスクも無視できなく、個人輸入は「自己使用1ヶ月分」に制限され、転売や他者への譲渡は禁止されています。

他にも、税関で没収される可能性に加え、健康被害発生時は医薬品副作用被害救済制度の対象外となり、補償を受けられません。

ミノキシジルを服用できない人もいる

ミノキシジルの服用が服用できない人は、以下のとおりです。

まず、心血管疾患（狭心症・心不全・不整脈等）や重度の高血圧/低血圧症の患者は、血管拡張作用による血圧変動が生命リスクを伴うため絶対禁忌です。

さらに、妊娠・授乳中の女性は胎児への影響懸念から使用禁止で、妊活中の場合も服用を控える必要があります。

他にも、肝臓/腎臓機能障害のある患者は代謝・排泄機能の低下により副作用リスクが増大し、臓器障害が重度の場合は禁忌とされているのです。

そして、未成年者と高齢者も、発達段階や臓器機能の脆弱性を考慮し慎重な対応が求められます。

他にも、税関で没収される可能性に加え、健康被害発生時は医薬品副作用被害救済制度の対象外となり、補償を受けられません。

正しい方法で使用する

ミノキシジルの内服薬と外用薬を効果的に使用するためには、それぞれの特性に応じた適切な方法を遵守する必要があります。

内服薬の使用法	外用薬の使用法
1日1回 血圧や心臓への影響を考慮	1日2回頭皮が 清潔で乾いた状態で使用する 塗布時は優しくマッサージする

内服薬は主に1日1回の経口摂取が基本で、血圧や心臓への影響を考慮し医師の指示に従うことが重要です。

一方外用薬は、頭皮が清潔で乾いた状態で1日2回（朝・夜）、1回1mlを目安に薄毛部位に塗布します。

塗布時は指の腹で優しくマッサージし、血行促進を図りながら頭皮への浸透を高めることが可能です。

内服薬と外用薬の併用を検討する場合、時間帯をずらして使用すると効果的であり、例えば内服薬を昼間に摂取し、外用薬を朝晩に塗布することで薬効を持続させられます。

ミノキシジルを使用する際、副作用があることから、「副作用が怖い」と感じる方も多いため、医師に定期的に診察してもらうことで、副作用のリスクを軽減しながら、治療を受けることができます。

ミノキシジルの効果がないと感じてしまうのはどんな人？

ミノキシジルの効果がないと感じてしまう人は、以下の5つの場合です。

効果がないと感じる場合に多いのが、初期脱毛が生じている場合です。

また、用法用量が間違っていたり、生活習慣が乱れていること、個人輸入したAGA治療薬を使用するで、思うような効果が得られないことがあります。

他にも、そもそも薄毛の原因がAGAでない場合にも効果がないと感じられる要因の1つです。

下記では、ミノキシジルの効果がないと感じてしまう人について詳しくご説明いたします。

初期脱毛が生じている場合

ミノキシジル使用中に生じる初期脱毛は、治療効果が現れる過程で起こる自然な生理現象です。

主に使用開始後10日～1ヶ月で現れ、休止期毛髪が成長期へ移行する際に古い毛が押し出されることで、一時的に抜け毛量が2～3倍増加します。

初期脱毛は、通常1～2ヶ月続き、長くても3ヶ月以内に収束するため、治療継続が重要です。

特に、AGAが進行した状態で治療を始めた場合、休止期毛髪が多いため初期脱毛が顕著に現れる傾向があります。

ただし、3ヶ月以降も持続する場合は、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎など他疾患の可能性を考慮し、医師の診断が必要です。

用法用量が間違っている

ミノキシジルの効果を損なう主な要因は、以下のとおりです。

外用薬の場合、1日2回（1回1ml）の規定を守らず、過剰な量を塗布したり回数を増やすと、頭皮の刺激感やフケ増加を招き、逆に効果が低下します。

また、内服薬では、自己判断で5mg/日を超える用量を使用すると、動悸・低血圧・多毛症などの全身性副作用リスクが急上昇するのです。

さらに、時間管理の誤りも問題であり、外用薬は8時間の間隔を空けずに連続使用すると、頭皮のミノキシジル濃度が過剰になり、毛乳頭細胞の反応が鈍化します。

他にも、頭皮環境を整えるため、整髪料の使用は薬剤が完全に乾いてから行い、塗布後30分は洗髪を避けるなどの配慮も必要です。

生活習慣が乱れている

ミノキシジルの効果を妨げる生活習慣には、以下が挙げられます。

特に22時～2時の「毛髪ゴールデンタイム」に睡眠が不足すると、成長ホルモンの分泌が低下し毛母細胞の分裂が抑制されるのです。

また、栄養面では、過度なダイエットによるタンパク質不足や、脂質過多による皮脂分泌亢進が頭皮のPHバランスを乱し、ミノキシジルの浸透を阻害します。

さらに、ストレス要因では、交感神経優位が持続すると血管収縮が起こり、毛乳頭への血流が減少するのです。

他にも、整髪料の洗い残しや過度なヘアアイロン使用が頭皮に物理的ストレスを与え、毛包炎を誘発するケースもあります。

個人輸入したAGA治療薬を使用している

個人輸入したAGA治療薬が、効果がない理由は以下のとおりです。

海外製品は日本の品質基準を満たさない場合が多く、有効成分不足や不純物混入の可能性があります。

また、個人輸入品による健康被害は「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となり、医療費補償が受けられません。

さらに、外国語表記の説明書では用法・用量の誤解が生じやすく、過剰摂取による低血圧や多毛症が報告されています。

他にも、偽造品の場合、有効成分が含まれていないため薄毛改善が見込めず、粗悪品による頭皮炎症が悪化するケースもあるのです。

薄毛の原因がAGAではない

薄毛の原因がAGAではない場合、ミノキシジルが効かない可能性があります。

円形脱毛症は免疫細胞が毛包を攻撃する自己免疫疾患で、10円玉状の脱毛斑が特徴的です。

また、ストレスや甲状腺疾患（バセドウ病・橋本病）との関連性が強く、重症例では全身脱毛（汎発型）に至ることもあります。

さらに、びまん性脱毛症は頭部全体のボリューム低下を引き起こし、鉄欠乏性貧血・極端なダイエット・出産後のホルモン変動が主因です。

他にも、脂漏性皮膚炎はマラセチア菌の異常増殖による炎症性脱毛で、フケ・かゆみ・頭皮の赤みが先行します。

これらのことから、自己判断でのミノキシジル使用は症状悪化を招くため、医師による頭皮検査・血液検査が不可欠です。

スマイルAGAクリニックでのミノキシジルを使用した治療

スマイルAGAクリニックでは、ミノキシジルを使用したの治療が可能です。

スマイルAGAクリニックでは、医師による診断と指導のもと、効果的なAGA治療を提供しています。

また、オーダーメイド処方により、患者の症状や体質に合わせた治療薬を選び、副作用リスクを抑えながら治療を進めているのです。

さらに、クリニックでは今まで治療を行ってきた患者様の知識を活用し、患者のニーズに応じたカスタマイズされた治療プランを提供します。

これらにより、患者の満足度を高めつつ、より効果的な治療を実現しています。

薄毛は進行してから治療を始めると、費用と治療期間が増加する傾向にあるため、「最近抜け毛が気になる…」という方は、早めにクリニックに相談した方が良いでしょう。

ミノキシジルは適応を見極めて使用すべき

今回は、ミノキシジルの副作用を知りたいに、「ミノキシジルの副作用」と「ミノキシジルの効果や注意点」について詳しくご紹介いたしました。

ミノキシジルの副作用を把握しておくことで、薄毛の改善に役立てることができるでしょう。

例えば、ミノキシジルの服用を始めた際に、初期脱毛が発生したとしても、慌てずに治療を続けることが可能になります。

また、医師に相談の上ミノキシジルでの治療を受けることで、薄毛の改善につながります。

しかし、自己判断で治療を進めることは難しいため、病院に相談しながら治療をしていきましょう。

コラムのポイント

• ミノキシジルの効果は血流改善、ヘアサイクル改善、成長因子の産生によってもたらされる
• ミノキシジルには外用薬と内服薬がありそれぞれ特徴が異なる
• ミノキシジルは本来降圧薬であり、循環器系の副作用への配慮も必要

引用文献

• [1] 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版｜日本皮膚科学会
• [2] 小友進 : 日薬理誌 119, 167-174, 2002
• [3] ミノキシジルのリスク区分について｜厚生労働省資料