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【医師監修】産後の抜け毛の原因は? ピークは? いつまで続く?

産後女性のおよそ半数が経験すると言われる産後の抜け毛、脱毛症。
抜け毛の量が多い人は、このままハゲてしまうのではないかと気が気ではないことでしょう。
実際、

  • 外見が気になり外出が億劫になった
  • 話には聞いていたが、いつまで続くか不安
  • 初めての出産だったので戸惑っている

出産後の女性の中には、このような悩みを抱えている方は少なくありません。
そのような方のために、産後の抜け毛の原因、対処法についてご紹介してまいります。

治療に関する質問にお答えいたします!

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目次

産後抜け毛(分娩後脱毛症)とは

出産後2, 3ヵ月経ったあたりから見られるようになる脱毛症を、分娩後脱毛症といいます。ブラシで髪をとかしたとき何本も毛が抜ける、シャワーの排水溝に今までにない量の髪の毛が貯まるといったことから異変に気づくことが多いです。

ピークはいつ? いつまで続く?

抜け毛のピークは産後半年ぐらいですが、その後徐々に落ち着いて、多くの場合およそ1年後には妊娠前の状態に戻るのが一般的です。
あまり神経質にならずに、まずは規則正しい生活習慣とストレスの軽減を心がけてください。

産後抜け毛が起こる原因

産後、なぜ毛髪が抜けてしまうのか、その原因は主に2つです。

1.ホルモンバランスの変化によるヘアサイクルの変化

女性ホルモンは2種類存在します。プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)です。前者には妊娠を維持する働きが、後者には妊娠の準備と女性らしい身体作りをする働きがあり、これらは妊娠を契機に徐々に増えますが、出産するとどちらも急激に減少します。

妊娠・出産における女性ホルモン分泌量の変化グラフ
妊娠・出産における女性ホルモン分泌量の変化グラフ

これらのうち、脱毛症状と特に関係が深いのはエストロゲンです。
エストロゲンには毛髪を維持する働きがあります。このため、エストロゲンが盛んに分泌される妊娠中は、ヘアサイクル上、本来抜けるはずの毛も抜けずに維持されます(具体的には成長期が長くなるイメージです)。出産後にエストロゲンが急激に減少すると、それが本来のサイクルに戻って脱毛量が増えるということです。

妊娠中と出産後のヘアサイクルの変化
妊娠中と出産後のヘアサイクルの変化

2.出産に伴う身体へのダメージとストレス

もう1つの要因はストレスです。言うまでもありませんが、出産は女性の身体に大きなダメージを残します。また、出産後すぐに育児がスタートするため、生活のリズムも大きく変わります。十分な栄養がとれず、睡眠も不規則になりがちです。加えて、人によっては慣れない育児の心労も重なって、心理的にもストレスフルな状態が続きます。このような生活面や心境のネガティブな変化も抜け毛に拍車をかける一因だと考えられます。

自宅でできる脱毛症状の対策

産後の脱毛は自然の流れで生じるものなので、無理に抑える必要はありません。症状の緩和や髪の健康維持に有効な生活習慣を心がけてください。

バランスのとれた食生活

髪の毛の元となるタンパク質亜鉛鉄分ビタミンを豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。健康的な髪を作るためには、バランスの取れた食生活が大切です。

《薄毛の予防対策として取り入れたい食べ物》

タンパク質豚肉、卵、乳製品、青魚
亜鉛牡蛎、牛肉の赤身、高野豆腐、ブロッコリー
鉄分ほうれん草、ひじき、レバー
ビタミン豚肉、にんにく、しじみ、かぼちゃ、アボカド

十分な睡眠

睡眠にはサイクルがあり、ノンレム睡眠とレム睡眠が約90分周期で変動しています。特に深い眠りであるノンレム睡眠の際に分泌される成長ホルモンは育毛に有効な成分の一つです。一方、睡眠不足は血行不良を招き、薄毛の原因になることも考えられます。育児に忙しい毎日、なかなかしっかり睡眠時間を確保するのは難しいかもしれませんが、睡眠の質をあげるなども工夫の一つです。

ストレスを溜めない

ストレスの軽減は、健康的な髪を維持するためにも重要です。ストレスを抱えてしまうと、ホルモンバランスが乱れてしまいます。そのため、普段から適度にストレスを発散し、あまり溜め込まないようにすることが大切です。

薄毛が元に戻らない? 治療が必要なのはどんな時?

産後の脱毛症状は、1年程度で自然に回復してきます。しかし、もし他の脱毛症を併発している場合は、出産前の状態に戻らないことがあります。もし以下の症状が認められるようでしたら、医療機関(皮膚科または産婦人科)にご相談ください。

髪の一部だけがごっそり抜ける

ごっそりと抜けた髪の毛
ごっそり抜けた髪の毛

このような症状の場合、円形脱毛症である可能性があります。
円形性脱毛症は、短期間で局所的に症状が現れるのが特徴です。アトピー素因や精神的なストレスが原因という説もありますが、現在は、免疫機能が異常をきたした時に起こる自己免疫疾患と考えられています[1]

頭皮に赤みやひどい痒みがある

頭皮がかゆい
頭皮がかゆい

このような症状の場合、脂漏性脱毛症である可能性があります。
皮脂が過剰に分泌されることで頭皮にべたつきが見られ、ニキビ、炎症、フケ、発疹を伴います。これによって頭皮環境が悪化して抜け毛が進行します。マラセチアというカビが原因の一つと言われています。

1年以上経つのに症状が改善しない

月日を連想させるカレンダー
月日を連想させるカレンダー

脱毛症状が長期にわたって続く、あるいは薄毛が一向に回復してこない場合、女性のAGA(FAGA:女性男性型脱毛症)の可能性があります。FAGAは進行性の脱毛症で、徐々にですが時間とともに確実に薄毛が進行する疾患です。
加齢に伴うホルモンバランスの変化が、ちょうど産後の時期と一致した場合に起こり得ます。授乳中の場合は治療薬の選択も慎重に行う必要があるので、疑われる場合は薄毛治療の専門クリニックにご相談を。くれぐれも市販の育毛剤等を安易に使用しないでください。授乳を通じてお子さんに悪影響を与える危険性があります。

FAGAに関して詳しくは下記コラムも併せてご覧ください。
▶︎【医師監修】女性のAGA(FAGA)の原因と治療法

産後の脱毛が長期間続くようなら早めの受診を

多くの場合、産後の脱毛症状は一定期間経過すれば改善しますので、あまり神経質にならず「こういうもの」と気楽に構えていただければと思います。
しかし、先ほど示した症状が見られるような場合は、早めに医療機関を受診してください。

スマイルAGAクリニックでは女性の薄毛も幅広く対応

当院では、主にFAGAをはじめとする女性の薄毛を多数治療してきました。産後の薄毛がなかなか治らないとお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。薄毛治療専門の医師が、ご状態に応じた最適な治療をご提案します。

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コラムのポイント
  • 産後抜け毛(分娩後脱毛症)の原因はホルモンバランスの乱れとストレス
  • 産後の抜け毛は、多くの場合自然に元に戻る
  • 症状が長期間続く場合は専門の医療機関へ
引用文献

このコラムを監修した医師

東京女子医科大学医学部 卒業
Kaplan New York Medical Course 卒業
鹿児島大学病院 勤務、研究
聖マリアンナ医科大学 勤務
東陽町駅前クリニック 勤務
Garvan Institute of Medical Research 研究
常盤台外科病院 勤務
新座志木中央綜合病院 勤務
田崎病院 勤務
楽天クリニック 勤務
某総合クリニック 勤務
スマイルAGAクリニック 院長就任

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